『ひとり終活』

20代の頃から,老後のことを心配して眠れなくなることがしばしばありました。今後も結婚しないのは間違いないし,自分の場合,甥姪もいません。今は職場があって社会的なつながりはあるし,親も兄妹もいるからいいけれど,退職する頃に両親はもういないだろうし,兄妹もいつまで頼れるかわからない。僕にとって老後の孤独は,深刻な問題です。

健康に暮らしている間のさみしさは,何とかしのぐしかないと思っています。けれども入院が必要になったり,なくなったときにはどうしよう……。誰かに看取られながらの死を切望しているわけではありませんが,せめて自分の遺体が他人様にご迷惑をかけるのだけは避けたい。死んでまで,他人に迷惑をかけるなんて嫌です。

なので,とりあえずこの本を読んでみました。

 

ひとり終活: 不安が消える万全の備え (小学館新書)

ひとり終活: 不安が消える万全の備え (小学館新書)

 

 

制度的なものは,よくわかりました。終活についても,色んなサービスを利用すればある程度はカバーできると思うし,今後こうしたサービスは拡充していくと思います。それにしても入院中の介助や死後の処理にいたるまで,カネ・カネ・カネなんだなぁとさみしくなったり。

そしてやはりというか,筆者も言うように,精神的にも社会的にも,人的つながり以上のセーフティネットはないなぁと実感したところです。家族を持てない自分は,友人だけが頼りなんだろうけれど,友人作りもなかなかうまくいかない。信頼関係って育てるのに時間かかるし,あるとき突然絶縁状態になったりする。

いろんなサイトで「友達をつくりましょう」なんて軽々しく書いてあるけど,「それが一番難しいんだけどな」とつぶやいてしまうのは,僕だけでしょうか。今できることは,数少ない友人とのつながりを大事にしながら暮らしていくことだけです。